『角川インターネット講座5 ネットコミュニティの設計と力 つながる私たちの時代<角川インターネット講座> (角川学芸出版全集)』近藤淳也
<この本を読んだ目的>
コミュニティ形成について勉強したかったため。
<どんな本か>
「コミュニティ」について、ネットだけでなく、哲学的、霊長類的な視点からの話も交えて論じられている一冊。
<目次>
第1部:人間の集まるコミュニティを設計する
序章 日本のインターネットコミュニティ
第1章 ソーシャルメディアの発生と進化
第2章 恋愛論的コミュニティサイト運営術
第3章 人が集まるコミュニティのつくり方
第2部:私たちのコミュニティはどこへ向かうのか
第4章 サル額から考える人間のコミュニティの未来
第5章 情報技術とリアルコミュニティ
第6章 コミュニティと人の力
<内容整理>
【第2章】
■ネットコミュニケーションの5要素
1,匿名性
2,反応性
3,平等性
4,正確性
5,感情性
■コミュニティサイト=恋愛術が役に立つ
∟コミュニティサービスとユーザーの関係は、恋人同士の関係と似ている
・自分の書き込みが「承認される」ことは快感
→2ちゃんねるの魅力:豊富なトピックに分かれたジャンルと、書き込み量、書き込みに対する反応のスピード
■コミュニティサイトが利用者の生活・インフラの一部になったら、それがゴールである
【第3章】
■ネットコミュニティの3つのパターン
1,ユーザー同士のコミュニケーションが中心のサービス(2ちゃんねるなどの巨大掲示板群など)
2,ユーザーの中にスターがおり、その周辺でコミュニケーションするサービス(755、ニコ生など)
3,コンテンツが中心にあり、その周りでコミュニケーションするサービス(Yahoo!ニュースやNewsPicksなど)
■流行るコミュニティの仕組み
前提→ユーザーがつくっていくもの
∟ユーザーの指示が得られない意思決定をしてしまうと、ユーザーが離れてしまい、サービスが成り立たなくなる
■ネットコミュニティ3つのフェーズ
1,設計期間フェーズ
∟設計:開発・ルールづくり・方針づくり(サービスを開始する前に決めておく必要がある)
☆投稿するユーザーが、何を楽しみにして投稿するかという視点が大事。
☆どのような書き込みがベストか考える
2,立ち上げ期
∟ここでユーザーを獲得できないと、人気がなくなってしまう
☆最初に優先すべきは「書き手」ユーザー:コンテンツの創出が大切
ex)食べログ…初期:時分だけのレストランガイドをつくろう(書き手への使いやすさに焦点)
↓
「グルメの情報が好きな人が、投稿したすいツールとしてのサービスがある」というところから投稿を収集。
↓
「グルメが好きな人が投稿しているレビューがあり、好きなレビュアーからよい店を探せる」
↓
店の評価が集まっているので、信用できるお店探しができるサービス
3,拡大期間
自動的にユーザーが増加する仕組みを狙う
→読み手重視への方針変更
【第4章】
そもそもコミュニティとは何か
1,情緒的な側面:人間はコミュニティに属することで、情緒的ないし心理面での安心感や安定、あるいは自己確認を得る
2,情報としての側面:コミュニティとは、"何らかの情報または世界観を共有する集団"
<感想>
色々なサービスの具体的な例が掲載されていて、非常に分かりやすかったし、勉強になった。
有名ドコロのコミュニティサービス勉強にはうってつけの一冊だと感じた。
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