『知識創造企業』野中郁次郎+竹内弘高【著】梅本勝博【訳】
2015.4.5読了
[内容]
1996年初版。20世紀の日本企業がいかにしてイノベーションを働かせて発展していったかを明文化した一作。かつての日本企業の発展は、「知識創造企業」の形成があったことを示す。どのように知識創造企業が形成されていくか、概念とともに具体的な事例を交えながら論を強めていくスタイル。
知識創造企業になるための一つ目のポイントが「4つの知識変換モード」
①共同化:暗黙知→暗黙知▶共感知
②表出化:暗黙知→形式知▶概念知
③連結化:形式知→形式知▶体系知
④内面化:形式知→暗黙知▶操作知
組織自身は知識を作れない。知識を作るのは各個人である。そのため、個人の暗黙知が、組織的知識創造の基盤なのである。
そして、上記の知識変換による組織的知識創造を促進する5つの要件がある。
①意図:戦略
②自律性:個人のレベルで自由な行動を認めるようにすべき。自己組織化
③ゆらぎと創造的なカオス
④冗長性
⑤最小有効多様性
これらの条件がある上で知識スパイラルが起こり、発展していくというのである。
第一章 組織における知識ー序論
第二章 知識と経営
第三章 組織的知識創造の理論
第四章 知識創造の実例
第五章 知識創造のためのマネジメント・プロセス
第六章 新しい組織構造
第七章 グルーバルな組織的知識創造
第八章 実践的提言と理論的発見
[感想]
とりま、とても分厚いw
経営を学ぶ上でだったり、何かの組織の上に立つ人間は読んでおいたら発展する組織の条件みたいなものが理論的に理解できると思う。
「暗黙知を形式知にすること」
これがとても重要なポイント。
組織の知識の基盤は個人レベル。だから、個々人の持つ暗黙知をその組織全体で共有できるように形式化することが必要である。
形式知にされた知識はノウハウとしてその組織の中に溜まっていき、読んだ人に原体験を促すことができる。
・・・運スタの総括とか資料を残す意味ってここにあるんじゃないかなーって思う。組織のため。一見、その時々のしごとを遂行したんだから文書に残す必要ないじゃん!面倒だもんって人がいるんだけど、それじゃ引き継がれていない「暗黙知」のまま。形式知にすることでもっともっとその組織が発展する可能性を有することを一人ひとりができるだけ意識することが大事なんだなと納得。
面倒だから避けがちな行動だけどね、それじゃ組織が発展しないということよね。うんうん。
自分がみんなを率いていく立場にもう一度なった時に読み返したい一冊!
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